消防士を辞めるまで

ある地方の消防士が25年勤めた仕事を辞めるまでの紆余曲折を赤裸々に綴ったお話です。

現地配属①

前回、配属先が決まる過程と配属先が決まったところまで記したので今回は配属先の先輩方を簡単に紹介したい

 

配属先はある消防署の分署の消防隊に配属されたわけだが、配属先の年齢層が高く、うまくやっていけるのか不安だったことを今でも覚えている

 

責任者は所長であり55歳、消防車を運転する人を機関員というが、機関員が2人おり、1人は59歳、もう1人が56歳、隊員が私を含めて3人いて、上から57歳、37歳、そして私の19才であった

救急隊もいたが、次回紹介したい

 

にしても、年齢層が可笑し過ぎでしょ!

何でこんなことになるの?って思った

 

所長はとても穏やかでいい人だったのだが、訓練を全然やらない方であり、いつも机に座って何かやっていたが、何をやっていたのかは分からなかった

 

次に機関員を担当する59歳の先輩だが、この先輩がとても厄介であった

この方は昔ながらの頑固親父であり、自分が一番といった感じであり、年齢では確かに一番だが、所長がいるにもかかわらず、威張り散らしている方であった

そんな頑固親父に私はよくパシリにされていた

例えばタバコを買ってこい、アイスが食べたいから買ってこい、夕食に使うネギがないから買ってこい等、色々と使われた 笑

一番おかしなことは夕食の汁物を作っていたら、味が口に合わなかったらしく、全部捨てられたことがあり、意味不明だし、なんて理不尽なことをする人なんだと思った

 

もう1人の機関員の56歳の方は、独り言が多く、退職したらホームレスになりたいと言っていたのを今でも覚えている

退職して、20年以上経つが、念願のホームレスになれたのか気になるところだ

 

57歳の隊員の方は走ることが好きな陽気な方で、時間さえあれば走っていた

そのおかげか当然体力は凄かった

 

37歳の隊員の方は、私が色々と知識と技術を教えてもらった方であり、私はいつもその先輩を頼り切っていた

しかし、このお世話になった先輩は後輩を可愛がる癖があり、私もその1人でありよく可愛がられた

火事の時や訓練で使ったホースはホースタワーというものにホースを干し、干したホースを地上10メートル以上あげて、乾燥させるのだが、このホースタワーにぶら下がってみろと言われ、ホースタワーがどういったものか知らない少年(私)は、先輩がぶら下がってみろと言ったので、素直にぶら下がった

先輩は可愛がる癖とイタズラ癖があり、ぶら下がった私を見て、すぐにホースタワーを地上5メートルくらいまで上げた

そして、降ろしてくださいと言っていた私を笑っていた

 

いや、もう頭壊れているでしょ!?

 

そんなめちゃくちゃなメンバーで一年間過ごすのかと思うと、先が思いやられるなと感じながら当直生活をスタートしたのであった

 

今回はここまで記し、次回に続く